月10ドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」は、冤罪事件を中心とした物語。
ドラマでは「実在の複数の事件から着想を得た」という記述があったので、原作の元ネタがどの事件なのか気になりますね。
参考文献から原作の元ネタを探ってみたいと思います。
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【エルピス】ドラマ・原作は実話で元ネタは足利事件?
ドラマ「エルピス」は、2006年の連続少女殺人事件(八頭尾山連続殺人事件)の死刑囚が冤罪かもしれないところから物語が展開します。
冤罪とは、何も犯罪をしていないのに犯罪者として扱われること。
冤罪事件が起きる背景は、捜査機関の思い込みやマスコミの扇動によって、事件のあらすじが作られてしまうということがあります。
ドラマ「エルピス」でも、マスコミ報道が捜査に影響していた設定ですね。
ドラマ中に「このドラマは実際の複数の事件から着想を得たフィクションです」という記述があります。
一体どの事件を参考にしたのでしょうか。
日本で起きた有名な冤罪事件。
- 足利事件(1990年/栃木県足利市/連続幼女殺人事件)
- 東電OL殺人事件(1997年/東京都渋谷区/東電OL殺人事件)
- 袴田事件(1966年/静岡県清水市/一家4人 強盗放火殺人事件)
- 松山事件(1955年/宮城県志田郡松山町/一家4人 放火殺人事件)
- 免田事件(1948年/熊本県人吉市/夫婦殺害 強盗殺人事件)
中でも、ドラマ「エルピス」は、連続幼女殺人事件の足利事件を参考にしています。
足利事件
1990年(平成2)5月12日夕、栃木県足利市内のパチンコ店で4歳の幼女が行方不明となり、翌朝同市内の渡良瀬(わたらせ)川河川敷において遺体で発見された事件。足利市内の幼稚園のバス運転手をしていた菅家利和(すがやとしかず)が有罪判決を受けて服役したが、その後、菅家のDNA型が被害者の下着に付着した犯人の精液とは一致しないことが明らかになり、再審のうえ無罪が確定した。
引用:日本大百科全書(ニッポニカ)
4歳女児が履いていた赤いスカートが印象的な事件でした。
エルピスの参考文献・足利事件/東電OL殺人事件/本庄保険金殺人事件
ドラマ「エルピス」では、参考文献がいくつも挙げられています。
足利事件
足利事件については、こちらの本を参考文献にしています。
- 菅谷利和「冤罪 ある日、私は犯人にされた」朝日新聞出版
- 菅谷利和 斎藤博史「訊問の罠 ――足利事件の真実」角川oneテーマ21
- 清水潔「殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」新潮文庫
- 小林篤「足利事件(冤罪を証明した一冊のこの本)」講談社文庫
- 下野新聞社編集局「冤罪足利事件―「らせんの真実」を追った四〇〇日」
菅谷利和「冤罪 ある日、私は犯人にされた」朝日新聞出版
菅谷利和 斎藤博史「訊問の罠 ――足利事件の真実」角川oneテーマ21
清水潔「殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」新潮文庫
小林篤「足利事件(冤罪を証明した一冊のこの本)」講談社文庫
下野新聞社編集局「冤罪足利事件―「らせんの真実」を追った四〇〇日」
東電OL殺人事件
こちらの本を参考文献にしていることから、東電OL殺人事件も参考にしています。
佐野眞一「東電OL殺人事件」新潮文庫
東電OL殺人事件
1997年(平成9)3月19日夕、東京都渋谷区円山町(まるやまちょう)のアパート1階の空き室で、39歳の東京電力女性社員の他殺死体が発見された事件。近くに住んでいたネパール人男性が無期懲役判決を受けたが、その後の新たなDNA型鑑定の結果、再審が認められ、無罪が確定している。
引用:日本大百科全書(ニッポニカ)
東京電力のエリートOLが、売春場所に使っていたアパートで殺害されるという事件で、連日ワイドショーを賑わせました。
冤罪・弁護について/本庄保険金殺人事件
こちらの本を参考文献にしていることから、本庄保険金殺人事件も参考にしています。
この事件は再審請求中で、ホステスの証言が警察に誘導されたとして冤罪であると弁護団は主張しています。
八木氏の再審弁護団の高野隆弁護士が書いた本で、冤罪事件が生まれる過程を参考にしていると思われます。
偽りの記憶―「本庄保険金殺人事件」の真相」現代人文社
本庄保険金殺人事件
埼玉県本庄市で金融業やスナックを経営する八木茂氏が、自身が経営するスナックのホステスと常連客3人を偽装結婚させた上で、多額の生命保険をかけ、うち2人を殺害、もう1人を殺害未遂をしたとされる事件。主犯とされた八木氏は2008年に最高裁判決で死刑が確定。ホステス3人も懲役12年から無期懲役の有罪が確定していた。
引用:Youtube 高野隆「本庄保険金殺人事件に見る 自白偏重捜査の危険性」ダイジェスト
八木氏が料金を取って連日スナックで記者会見をしたり、共犯者とされるホステスの証言が変わるなど話題性がありました。
その他、弁護と冤罪に関する本も参考文献にありました。
佐藤博史「刑事弁護の技術と倫理―刑事弁護の心・技・体」有斐閣
日本弁護士会連合会人権擁護委員会編「21世紀の再審 えん罪被害者の速やかな救済のために」日本評論社
ネットでは参考文献の量がすごい!と話題
SNSでは、参考文献の量がすごい!と話題になりました。
エンドロールの参考文献の量すごかったな…カンテレの本気たるや、恐るべし。
#エルピス— なべ (@sennabe94) October 24, 2022
#エルピス
参考文献が凄い量のクレジット。実際の事件を基にしたフィクションである、というのが一気に実感を持って伝わってきた。— れっど (@RedS_2448) October 24, 2022
エンドクレジットの参考文献の数と内容が、このドラマがシャレじゃないんだと言ってるみたい。
国家権力を揶揄するならとことんやって欲しい。面白くなってきた。
#エルピス— こったん (@roo_kota) October 24, 2022
確かに、この量はすごいですし、ドラマへの期待が高まりますね!
これからもドラマ「エルピス」に注目したいと思います。